死者数の増加に伴って都市部で顕在化している「火葬待ち」を背景に、全国の葬儀業者などの3割超で、火葬や葬儀までの間に遺体を安置しておく施設が不足して受け入れできない事態が生じていることが、厚生労働省の研究班の調査でわかった。業者側で受け入れできなかった場合、遺族や故人の自宅で安置しているとの回答が目立った。
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全日本墓園協会(東京都)の主管研究員・横田睦さんら研究班の調査に、葬儀業や遺体安置業などの720事業所が答えた。こうした業種は、行政による認可や届け出が不要なため、全国の事業所数はわかっていない。
720のうち594事業所(約83%)が、葬儀や火葬の前に、施設で遺体を安置することが「ある」と答えた。そのうち、主に「遺族控室」で安置しているところが約30%で最も多く、冷蔵機能がない「遺体安置室」(約28%)、「遺体冷蔵庫」(約16%)などと続いた。
遺体を安置する理由(複数回答)を聞くと、「葬儀の日程調整」(約72%)、「火葬の予約待ち」(約57%)、「葬儀場の空き待ち」(約48%)をあげる事業所が多かった。
受け入れ体制が不足しており安置できないときがあると答えた事業所は約32%。安置施設の「増設を予定」している事業所が約9%、「増設を検討中」は約30%にのぼった。
ここ数年の平均的な遺体安置…